ふだん何気なく使っているお薬手帳ですが、使い方次第で今よりもっと便利になります。 ただ、残念ながらお薬手帳の意義やメリットはあまり知られていません。
お薬手帳の紙とアプリの共通点や違いから便利な使い方を解説します。
お薬手帳とはふだん服用している薬などを記録するためのものです。 現在服用している薬だけでなく、過去に処方された薬の情報などを確認することができます。また、アレルギー情報や過去の副作用の状況なども記入する総合的なお薬管理手帳として使用することができるようになっています。
お薬手帳の意義と入手方法を紹介します。
お薬手帳を持つ意義はさまざまですが、大きい点が「副作用や飲み合わせのリスクを軽減できる」ということです。
薬は飲み合わせによって効果が弱まったり深刻な副作用が起きたりすることがあります。 お薬手帳を確認することで、医師は薬の飲み合わせのよくない組み合わせを避けて処方することができますし、薬剤師はその確認をすることができます。 このような意義のもと、お薬手帳はできました。
お薬手帳を持つことには、飲み合わせのリスクを軽減する他にもメリットがあります。
緊急時や災害時でかかりつけでなくてもいつも飲んでいる薬がわかる。 薬局で支払う金額が安くなることがある。
お薬手帳がなければ、緊急時や災害時にいつも飲んでいる薬が何かわからなくなる可能性があります。 お薬手帳を常に携帯しておくことで、万が一の状況でも必要な薬を正確に処方してもらえます。
次に、お薬手帳があれば薬局で支払う金額が安くなります。 2016年4月の診療報酬改定によって、薬を調剤してもらう際には「服薬管理指導料(旧薬剤服用歴管理指導料)」が発生することになったのですが、お薬手帳の有無で管理指導料の点数が変わるのです。 今後改定により変わることもありますが、2022年11月現在は
このように、処方箋を調剤薬局に持参した場合 お薬手帳を持参したほうが点数が低い算定がされることになります。
全国の調剤薬局でもらえます。 紛失したとしても無料で再発行できますが、再発行してからの記録になってしまうため なくさないようにしましょう。
複数持っていた場合、1冊にまとめて併用薬はわかりやすいようにしましょう。
お薬手帳には紙とアプリがあります。 ここでは紙とアプリの共通点やそれぞれでできることを紹介します。
紙とアプリの共通点は以下のとおりです。
紙のお薬手帳もアプリのお薬手帳も、記録される情報は変わりません。 「いつ」「どこで」「どんなお薬を」処方してもらったのかを確認できます。 後述しますが、アプリの場合、処方箋の記録以外にも通院履歴や体重、血圧などをこまかく入力し自動でグラフ化できる多機能なものもあります。
紙のお薬手帳には次のようなメリットがあります。
紙の場合、スマートフォンを持つ必要がありません。 充電が切れたり壊れたりするとお薬手帳を見せられませんが、紙だとそのような心配がないのです。また携帯のロックが開けられないという心配も不要です。
また、アプリの場合、操作が難しく「使い方がわからない」と感じる方もいます。 簡単に使えるため高齢者でも使い方に困ることはありません。 メモを書き込むなど、使い方をアレンジすることも簡単です。
アプリのお薬手帳には次のようなメリットがあります。
紙のお薬手帳だと、持っていくことを忘れることも少なくありません。 アプリの場合、スマートフォンを持っていれば大丈夫です。
さらに、過去のデータなどを管理・確認することも容易で使い終わることもありません。 情報を家族に共有できるため、遠方にいる両親の薬を管理するときなどにも便利です。 また、次のような機能が搭載されているお薬手帳アプリもあります。
紙のお薬手帳にはない機能がアプリにあります。
最後に、お薬手帳に関するよくある質問に回答します。 ここで回答するのは以下の質問です。
お薬手帳は1人1冊が推奨されています。 お薬手帳の意義はリスクのある飲み合わせを防ぐことなので、複数持っている場合は 薬局でまとめてもらいましょう。
どちらもお薬手帳であることに違いはないため、使いやすいほうを選択しましょう。 もちろん両方利用しても構いませんが毎回両方に記録しましょう。
スマートフォン自体を使い慣れていない場合、紙のお薬手帳を利用しましょう。
データはなくなりません。 薬の情報はすべてサーバーに保存されているからです。 壊れたときだけじゃなく、機種変更したときもログインをすれば情報は保存されているので安心してください。
お薬手帳そのものは自分で作っても構いません。 薬局でもらったものでも問題ありませんし、手作りすることもできます。
もちろん市販のお薬手帳を使っても問題ありません。
お薬手帳の役立て方についてまとめます。
「持参するのが面倒」と思わずに、かならず持っておくことをおすすめします。
薬局薬剤師として、調剤や服薬指導、服薬相談を多数経験。
患者さんの気持ちに寄り添い、わかりやすい言葉で
治療に前向きになれるような服薬指導を心がけています。
薄毛対策ラボ 監修者
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